特別寄稿文

9月度総幹部会で表面上はストレートに、先生はその「問い」に応えられました。

 一)「だが、入信勤行を行う拠点と、地方会館には、どうしても御本尊を御安置しなければいけない。そこで私は敢えて、日寛上人と、日布上人の御形木御本尊を松本尊能化に授与してくださるようお願い申し上げた」

 二)「ちなみに、御形木御本尊というのはどういうものか。説明いたしますが、これは、印刷された御本尊のことでありま
す。...しかし、近年信徒の増加に伴って、入信したときにまず御形木御本尊を下附するという制度ができた」

 三)「品川の妙光寺が、55世の日布上人の御形木御本尊。池袋の法道院が、56世日応上人の御形木御本尊。そして常在寺は、57世の日正上人の御本尊。そして、白山の白蓮寺って寺があるんですが、そこでは、60世の日開上人の御本尊を授与しておったというような具合で、それぞれの末寺で有縁の貫首上人の御形木御本尊を授与しておったと。これは、末寺住職に許された古来からのしきたりだったんですね」

 四)「ゆえに私は、将来の大規模な広宣流布の戦いに備えて、地方会館に安置し奉る大幅の日布上人の御形木御本尊と、自宅拠点にかけ奉るべき日寛上人の御形木御本尊を、松本尊能化に用意してくださるよう、敢えて願い出て、これを授与して頂いたのであります」

 過去の経緯を知らず、外部情報と遮断されている多くの顕正会員諸氏は、この説明で納得するでしょう。
 しかし、堂々と戦う為に疑難を粉砕すべく理論武装をとの願いに、先生はお答えになってくださいませんでした。

ご説明の帰結

先生のご説明における矛盾点は、こういうことでしょう。

 1) 御形木御本尊の性格
 先生のご説明では、「近年信徒の増加に伴って、入信したときにまず御形木御本尊を下附するという制度ができた」のであって、御形木御本尊はその前提として個人・初信が対象である。

 2) 御形木御本尊の大きさ
 したがって先生のご説明では、会館安置用の大幅の御形木御本尊の存在自体が矛盾している。個人宅でご安置すべき仏壇もまた、例外的な大きさが必要とされる。
 もし大幅の御形木御本尊が存在するなら、拡大コピー技術を以て作成された可能性が高い。

 3) 大量の大幅御形木御本尊の存在
 妙光寺は日布上人、法道院は日応上人、常在寺は日正上人、白蓮寺は日開上人と説明されたが、「妙縁寺は日布上人」とは云われない。妙縁寺に、大幅の布師の御形木御本尊がすでに以前から大量に存在したという説明は、先生としてもおできになれなかった。

 4) 敢えて願い出た
 先生は、「地方会館に安置し奉る大幅の日布上人の御形木御本尊を、松本尊能化に用意してくださるよう、敢えて願い出てこれを授与して頂いた」、と重ねて述べられた。
 「用意してくださるよう」ということは、それまで妙縁寺に存在しなかった大幅の布師の御形木御本尊を、「大量に製造してくださるよう」、先生から敢えて願い出たのだという説明である。

 5) 地方会館構想
 当時は音羽から常盤台に本部が移転した直後であり、嵐のような解散処分に続いて法廷闘争が始まりつつあった。本部会館の御本尊を守護し奉り池田会長を追放し、妙信講は宗門に必ず復帰するということが大前提であった。地方会館という構想を、当時の先生は持っておられなかった。

 6) 大幅御形木御本尊の準備期間
 妙信講解散処分に続いて松本御能化も住職を罷免され、ただちに久保川・浜中師等が妙縁寺に赴任して来た。妙縁寺の一室に籠城される松本御能化の身辺守護のため、男子部員が持ち回りで本部から派遣され松本御能化に付き添った。
 外部との連絡も制限される当時の状況で、松本御能化が大幅御形木御本尊作成を業者に発注することも含め、大量にお作りになることがどうしてできたでしょう。

 7) 先生のご説明の帰結
 結局、今回の説明の帰結するところは、こういうことでした。

 ・ 地方会館安置の大幅の布師御形木御本尊疑惑について、現役顕正会員から「お伺い書」が到来した
 ・ 松本尊能化に用意してくださるよう敢えて願い出て、松本尊能化がすべて用意し授与してくださった ( ことにしよう )
 ・ よって顕正会は布師の大幅御形木御本尊を、勝手に偽造などしていない ( ことにしよう )


ご説明の破綻
 先生のご説明での論理の破綻を整理すれば、このようになるでしょう。

 ・ 御形木御本尊はその前提として個人・初信が対象であり、大幅御形木御本尊の大量の存在は矛盾である

 ・ 必要性のない大幅の御形木御本尊が、妙縁寺に以前から大量に存在していたなら異常な事態である

 ・ よって大幅の布師の御形木御本尊が、すでに以前から妙縁寺に大量に存在したと明言したいところであるが、おできにならなかった

 ・ 当時は将来の地方会館という発想を、先生は持っておられなかった。地方会館に必要とは、後付けの説明である

 ・ 存在しなかった大幅御形木御本尊が、解散処分直後の激動の状況にあって敢えて願い出たことから突如用意され授与されたという説明は、あまりにも不自然・不合理にして無理がある

 ・ 大幅御形木御本尊は、拡大コピー技術を用いて顕正会によって作成された可能性は高く、今回のご説明は「疑難を粉砕すべく理論武装」になりえていない。







 
※寄稿者の了承を頂き掲載させていただいているものです。

    

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